「すごかったよねー!もーサイコー!!

なんて言うか、私が作った曲があんなにウケルなんて!」

 

「姉貴うざい・・・・」

 

「な・・・・・・

お姉ちゃんにむかってなんて口のキキカタなの!!」

 

「だからだまってて」

 

「ひ、ひどい!!

お姉ちゃん泣いちゃうから!」

 

「勝手にしろ」

 

「うぅ・・・・」

 

やばい・・・・

 

マジ泣きそうだ・・・・・

 

「ま、まぁ、アレだよな

うん、すごいよ、いい曲だよな」

 

「でしょ!」

 

「まぁ、ピアノ弾いたのオレだがな」

 

「うぅ」

 

そ、そんな目で見るな・・・・・・

 

「はぁ、カイにピアノおしえるんじゃなかった・・・・・」

 

「まぁ、そう言うな、

 

作曲じゃ姉貴が勝ってるよ・・・・まだ・・・・・」

 

「まだってなによ、まだって!」

 

「そのうちオレがぬかすってこと」

 

「はっきり言うな!」

 

はぁ、うるさいなぁ

 

でも、これはこれでたのしいんだがな

 

「そういえばアネ−−−−−−−−−−」

 

「!!あぶない!!!」

 

ドン

 

オレの体が、思いっきり押される

 

え?

 

キキィーーーーーー

 

耳ざわりな音と同時に

 

姉貴の体が宙を舞う・・・・

 

ドサ

 

姉貴の体がコンクリートにたたきつけられる

 

「姉貴!!!」

 

オレは立ち上がり姉貴の元へかけ寄る

 

「姉貴!!姉貴!!」

 

姉貴のからだをゆする

 

「カイ・・・・・・・

 

けがない?・・・・・大丈夫?・・・・・・」

 

重い手を挙げながら聞いてくる

 

「ああ・・・・・大丈夫・・・・」

 

手をしっかりにぎってやる

 

「よかった・・・・」

 

姉貴の手から力がぬける

 

「姉貴?・・・おい!・・・・姉貴!

 

姉貴ーーーーー!!!!!!」

 

空から赤い姉貴のメガネがもっと赤く染まって落ちてきた

 

 

 

 

 

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「うわーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」

 

ぜぇ、ぜぇ、ぜぇ、ぜぇ、

 

ふぅ、ひさしぶりにあの夢を見たな・・・・・

 

あれから5年か、4年ぶりに見たな・・・・・

 

わすれてたわけじゃないからな・・・・・・

 

姉貴・・・・・天国にいるのかな・・・・・・・

 

ん?

 

何か視線を感じる・・・

 

周りを見てみればみんなこっちをみているではないか

 

うむ、たしかここは電車だったような・・・・・・・

 

うわ〜〜〜〜〜マジ気まずい・・・

 

この車両から離れよう

 

そう思い立ち上がり一つ前の車両へ移動する

 

あー恥ずかしかった

 

恥ずかしすぎて石化してしまいそうだった

 

お、以外とすいてるじゃん

 

席に座った瞬間、駅についた

 

ん?後少し待てばよかったんじゃん

 

まぁいいか

 

 

 

 

 

 

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オレは水野 海斗

 

まぁ理由は言わないが引っこし中です

 

首まである髪に、女物の赤いメガネ

 

メガネをはずせばかなりカッコイイ『桜井 苺 談』

 

まぁ電車出て、新しい家について、やることないから外に出て

 

迷子の迷子の子ねこちゃん状態・・・・・・・・

 

うーん、どうするべきか・・・

 

まぁとにかく、こっちに走って目の前でずっこけてパンツ丸見えの

 

けっこう可愛いおじょうさんでもおこしてやるか・・・・

 

「君、生きてる?」

 

「うぅ、これくらいじゃあ死ねません」

 

そりゃそうだ

 

でも、ふつう『死ねません』ではなく『死にません』じゃないか?

 

まぁ、オレも『君、生きてる?』だからなぁ

 

「ひゃぁ!!」

 

ふむ、やっと自分がハシタナイ格好きずいたか・・・

 

かなり鈍いな

 

「み、見ました?・・・・・・・・」

 

はい・・・・モロに・・・・・・でも

 

「なぁーんにも」

 

と、答えておくのが礼儀

 

だと、オレは思う

 

「よかった・・・」

 

いや、ふつう疑うだろ。こいつかなりの天然だな・・・・・・

 

オレオレ詐欺100%ひっかかるな

 

まぁさっきから電信柱に次から次へとぶつかって歩いてたからな。

 

それをずっと見ながら必死に笑いをこらえてたらはしってこっちにきたんだよな

 

「あの・・・」

 

あ、この子まだ居る・・・・・・

 

何か聞きたそう

 

「はい、なんでしょう?」

 

「おききしたいことがあるんですが」

 

「ダメ」

 

「えぇ!」

 

そんな目で見ないで・・・・・・

 

オレは悪くないよマイスイートハニー

 

「そんな・・・・ひどい・・・」

 

ごめんね・・・・オレにきかれても困る・・・・・

 

おねがいだから、そんな声や目しないで・・・・・周りの視線が痛い・・・・・

 

まるで俺が悪者みたいだから止めて下さい・・・・

 

「わ、わかった・・・・なにがききたいんだ?」

 

パッと明るくなる彼女

 

やはりオレはすぐに折れるのでした

 

「私の家教えてく「むり」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

・・・・・・・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

い、いや、だってむりだろ!

 

6分位まえにあったばかりだぞ!

 

しかもこの町に来て1時間30分ジャスト!

 

教えてくださいは無理!無い!出来ません!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「・・・・・」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ウルウルして、今にも泣きそうな目

 

オレはそれに弱い

 

「・・・・・」

 

「だーーーーーわかったって、

 

できるかぎりのことはやってやるぜ、コンチクショウ!」

 

「ありがとうございます!」

 

ふ、オレの手にかかればそんなのチョチョイのチョイだぜ

 

さっきと言ってる事が違うって?君たちが俺の心を読むのがいけないんだよ

 

「んで、地図かなんかないの?」

 

「あ、あります!」

 

まぁ、ふつうあるよな、ないとさがしようないもんな

 

「これです」

 

「・・・わー、世界地図・・・・見やすいネ〜〜〜〜」

 

「ま、まちがえました!」

 

よかった・・・・世界地図で『ここです』と、言われたら100%逃げたなオレ

 

「こっちでした」

 

うむ

 

ここの○が家か

 

だが、なぜ家の周りしか書いてない!!

 

しかも字がきたない!!

 

ん?ここって・・・・・

 

「ここ、オレんちのちかくだ」

 

「え!ホントですか!案外早く家につきそう」

 

「ああ。そうだな」

 

ふぅ、めんどうなところじゃなくてよかった

 

はやく家に帰ろう家に・・・・家・・・・・・・・

 

「それじゃあ、はやくいきましょう」

 

「無理だ。オレも迷子の迷子の子猫ちゃんだった・・・」

 

一瞬時間が止まったみたいでした