「うわ〜ん、勝てない〜〜〜〜」

 

「ゲームが強いっと」

 

「おまえら弱!!!!」

 

ジタバタしているコーチョに、

 

手帳になにやらメモっている鈴

 

予定どうりボ○バーマンをしている

 

だが、30戦中27戦オレが勝っている

 

残りの3戦はルールを教えてもらえなかった始めの方

 

「ほら、約束どうりイイモノよこしな」

 

ちょっと嫌みっぽく言ってみる

 

「しかたないな〜、ちょっとまっててね」

 

そう言うとコウチョーは奥の部屋に入っていった

 

「ねー、さっき校長って言ってたけど・・・・・」

 

「ん?あぁ、あのココの学園の校長らしいよ」

 

「えぇぇぇーーーーー!!!」

 

驚いてる驚いてる

 

「そんなこと信じてるの!?」

 

「だって本人が言ってるんだし・・・」

 

「そんなのウソかも知れないよ!?」

 

「別にいいんじゃない?今が楽しければ」

 

「う〜ん、まぁいいか・・・」

 

いいんかい!

 

もっと抵抗してくれることを期待してたりしたのに・・・・

 

「あ、鈴も負けたんだから何かくれよ」

 

「え〜、あたし何も持ってないよ」

 

「え〜、つまんねぇー」

 

「うぅ、仕方ないな〜あたしの体で―――――――――「いらん」

 

「え〜、あたし体に自信あるよ?」

 

「だからどーした」

 

「もったいないよ?あとで後悔するよ?絶望のどん底に突き落とされるよ?

警察訴えるよ?ウソ記事ばらまくよ?他の女とくっつくなよ?

いつかおじいさんになるよ?マグロ美味しいよ?断るなら死ねよ?」

 

と、言いながらだんだん顔を近づけてくる

 

「おい・・・、訳分からんぞ」

 

「要は何で断るかって事」

 

いや、だって他にもつっこむ所あるだろうけど

 

『断るなら死ねよ?』ってなんだよ!

 

何で死ななきゃならんのだ?

 

「ねー、あたしって魅力無い?」

 

いや、ありすぎとは言わないがかなりある

 

うん、魅力というか可愛げがある

 

・・・うわ!恥ず!!死んでもこんな事口に出来ないな

 

「いや、かなりあると思うぞ?」

 

「なぜ疑問系?」

 

「個人差という物があるだろう

それと、吐息のかかる距離での会話は止めないか?」

 

「イーヤ♪」

 

今の状況は、いつの間にかソファーの上に寝っ転がっているオレの上に

 

鈴が寝っ転がっていて、向き合っている

 

いつ、唇が触れてもおかしくない

 

よって、オレの心臓はヤバイ状況だろう

 

「カイっちの目には、あたしはどんなふうにうつってる?」

 

どんなふうにって・・・

 

「女?」

 

「そうじゃなくて、あたしはどんな存在かって事!!」

 

怒鳴るなよ

 

どんな存在か・・・・・・

 

そう言えば他の人から見たらオレはどんな存在なんだろう?

 

道案内?神社に来た不思議な少年?別れ離れのお兄ちゃん?

 

元恋人の弟?義理の妹の兄?バイトのウエイター?

 

新聞のネタ?面白い先輩?自分の学園の生徒?

 

どうなんだろう?

 

「あたしそんなに難しい質問した?」

 

「い、いや・・・」

 

そうだった、まず質問に答えてやらなければ

 

どんな存在っていわれてもなぁ

 

煩い記者?ストーカー?犯罪者?

 

いやいやいやいや、もっとまともな答えは・・・・・

 

「大切な・・・・・・友達?」

 

「そっか・・・・でもまだ可能性はあるね」

 

言うのに戸惑った・・・

 

きっと、心の奥底では『大切』なんて思ってないから

 

どうなんだろう?

 

オレのこのまま自分を偽りながら生きるのか

 

いっそのこと、本心に戻って楽になるのか・・・・

 

『本心』それは5年前のオレ、姉が死んでから人を拒み続けていた

 

1年前に竜、オレの世話係だった竜に借りを作ってしまい

 

その借りの変わりに

 

『元のオマエに戻れ、でもイキナリ立ち直るのは無理だろう、まず自分を偽り周りに溶け込め』と

 

言われた、だから今こうやって周りに自分を偽っている

 

本心に戻ったらどんなに楽なのだろうか?

 

「だぁぁぁぁぁぁぁーーーーーーー!!!!!!!!」

 

何考えてんだオレ!!!!!

 

過去のことは全て忘れて自分を偽りながら生きるって決めただろうが!!!!!!!!

 

でも、今ごろになってきずく、過去のことを全て忘れるなんて無理かもな・・・・・・・・

 

「か、カイっち、大丈夫?」

 

「あ、」

 

そう言えばコイツが居たんだった

 

なぜか、とても心配そうにこちらを見ている

 

「ねー、どうしたの?突然大きな声出して・・・・・

何考えてたの?何かあったら頼ってくれてもいいんだよ?」

 

「ああ、たいしたことじゃないさ」

 

あまり納得してないようだったが、

 

それ以上は追求しなかった

 

「おまたせーーーーって、人の家でなにやってんの!?」

 

そう言えばまだこいつが腹の上に乗っていた

 

「こらこら、鈴さん、あんたはモモンガじゃないんだから退きなされ」

 

と言いながら鈴を退ける

 

「え〜〜〜、あたしモモンガだと思ってくれて良いよ?」

 

「無理だ、なぜなら重・・・ごふ!!」

 

「体重のこというのは失礼だよ」

 

思いっきりみぞおち殴られました