また来てね〜」

 

校長の元気のいい声

 

抜け道は体育館裏のマンホールにつながっており

 

校門まで校長がおくってくれた

 

「うん、また来るね〜」

 

「暇ならまた来る」

 

なんとも素っ気ない返事をして帰宅路につく

 

オレは考えている

 

本当に聞いても良いことなのだろうか?

 

聞いてしまっても良いのだろうか?

 

オレは6才で銃を握った

 

だから、大抵のことは冷静に判断できる

 

だが、親父のあの慌てようは異常だ

 

オレが聞いてしまったらどうなるのだろう

 

『スパーン!』

 

「げふ!?」

 

イキナリ何かでたたかれた

 

見ると鈴がハリセンで何回も何回もオレをたたく

 

「痛い痛い!やめんかボケ」

 

「だって――――――――」

 

「!!!!」

 

鈴がしゃべっていた途中だったが手で口をおさえ

 

自分の方に引き寄せる

 

「んが?んがんんがが」

 

「しずかに・・・」

 

足音が聞こえる、聞こえても不思議ではないが

 

なにやらイヤな予感がする

 

「鈴、合図したら一気に家まで走れ」

 

「んがれ?(なんで?)」

 

「良いから言うとうりにしろ」

 

前方に分かれ道発見

 

「鈴、オマエの家どっちだ?」

 

「んり(みぎ)」

 

「右?」

 

コクリとうなずく鈴

 

「あの分かれ道に付いたら一気に走れ」

 

「んっがうう―――――――――――」

 

「何にも聞くな」

 

聞かれたら困る

 

きっとオレの命をねらっているのだろう

 

          ・・・・3・・・・・・・2・・・・・・1

 

「走れ!!」

 

分かれ道に付いた瞬間鈴を放し一気に走らせる

 

オレも左に走る

 

やはり足音はオレに付いてくる

 

何人いる?1、2、3・・・・・5人くらいか・・・

 

公園発見!公園の中に入り茂みに隠れる

 

足音も段々近寄り、声も聞こえるようになった

 

「どこに行った?」

 

「わからない」

 

「く!見失ってしまったか・・・」

 

肉眼で確認、やはり銃を持った黒ずくめの5人組

 

ありがちな格好だなと思う、

 

黒いサングラスに黒いコートに黒いぼうし黒いくつ

 

両手に銃を持つ、3・・・2・・・1

 

「こっちだバーカ」

 

立ち上がり声を発する

 

予定どうり5人ともこちらを向く

 

『ドン!ドン!ドン!ドン!ドン!』

 

撃つ、,もちろんねらいは銃だ

 

『カン!キン!コン!ガン!ギン!』

 

ねらいどうり銃に当たる、『逃げるなら今だぜ』

 

と、カッコイイセリフを言ってみたかったが、黒ずくめ五人組は

 

何も言ってないのに手を挙げた

 

「お待ち下さい海斗様」

 

そう言えば何処かで聞いたことのある声

 

どこだったか・・・・

 

「私たちの顔をお忘れですか?」

 

そういうと5人ともサングラスを取る

 

「あ!ズッコケ5人ぐ――――――――」

 

「ちがいます」

 

オレの言葉はあっけなく消し去られる

 

「我ら」

 

あ、

 

「亜鬼家に使える」

 

久しぶりにコレ聞くな・・・

 

「黒ずくめ」

 

でも、もう聞きあきたな・・・・

 

「5人組」

 

たまにはセリフ変えればいいのに

 

「その名も・・・」

 

ブラックレンジャー

 

「「「「「ブラックレンジャー」」」」」

 

やっぱり・・・

 

「黒き炎、ブラックレッド!!」

 

みんな同じ色だって

 

「黒き氷結、ブラックブルー!!」

 

退屈だ

 

「黒き烈風、ブラックグリーン!!」

 

ベンチに移動中・・・

 

「黒き稲妻、ブラックイエロー!!」

 

ベンチで横になる

 

「黒き暗黒、ブラックブラック!!」

 

ブラックブラックって・・・つっこみ入れるのもメンドイ

 

「「「「「みんな合わせて」」」」」

 

ZZZZZ

 

「「「「「ブラックレンジャー!!・・・って何で寝てるんですか!!!」」」」」

 

「っと、ダッテもう聞きあきたんだもん」

 

見事にそろったつっこみを入れられてしまった

 

ああ、何てノンキ何だろう、こんな生活が続けばいいのに・・・・・そう

 

こんな生活が続けば・・・、悲しいことなど何もないこんな生活が・・・・・・・

 

「・・・・・決めた、おまえらちょっと黙っといてな」

 

ブラックレンジャーを黙らせといて

 

・・・・・・親父に電話をする・・・

 

RRRRRRRRRRガシャン

 

『もしもし』

 

「親父・・・決めたよ」

 

『・・・・・』

 

「やっぱ聞かないことにする」

 

『・・・・・そうか・・・・』

 

声のトーンがものすごく下がったような気がする

 

「けど、その時が来たら教えてもらうから、」

 

『ああ、もちろんだ』

 

「・・・それと、もしそれが亜鬼家の宿命とかなら承ける気あるから」

 

『な!本当か!!』

 

今度はものすごく声のトーンが上がった

 

それほどまでにうれしい事なのだろうか?

 

「100%とは言わないけどな」

 

『ああ』

 

「それじゃあな」

 

『ああ』

 

ぷつん(電話を切った音)

 

『パチパチパチパチ』

 

拍手が聞こえる

 

見るとブラックレンジャーが泣きながら拍手をしていた

 

「うぅ、今すぐとは言わないが自分の宿命を受け入れるとは・・・

なんと涙ぐましい・・・」

 

「感激だー」「どこまでも付いていきますぅ〜」

 

「オウ、ナントモカナシイオハナシナンデショウ」「ワッツ?」

 

何て事を言っている

 

こいつらは、頭が少々おかしいが腕は確かだ

 

主にオレの護衛などを務めていた

 

「で、何でおまえらがココに居るんだよ、実家で待機してろって言ったろ」

 

「あ、そうでした、それがですね―――――――――」

 

次回に続くw

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

余談だが、その日から数日マット達を見かけなかった