「引っこしかぁ」
そう、あの時ブラックレンジャーはオレに引っこせと言った
別にかまわないのだが場所が問題だ
今の家からあまり遠くないが
超高級マンションの最上階だ
家賃5億はする、親父が経営しているマンションだから必要ないが・・・
オレは嫌だと言ったが、家に帰ると家具からインスタントフードまで全部無かった
仕方なくブラックブルーの車でマンションまで送ってもらった
はぁ、またため息を付いてしまった、幸せがどんどん逃げていく
マンション&ボロアパートの経営者&管理人も、任されてしまった
マンションはともかくなぜボロアパートの管理人までしなきゃならんのだ
はぁぁ・・・、なんてこった
「ため息なんて付いてたら幸せ逃げちゃいますよ」
「ワッツ?」
いきなりの後ろからの声
見ると虎牙が立っていた
「虎牙〜」
「カイ兄、目が潤んでます」
あ、コイツ目線逸らしやがった
可愛くないヤツ
「虎牙、オレもうダメだ」
「訳分かりません」
そりゃそうだ
「一昨日きずいたんだが、世界はオレを中心に動いてなかった」
「でしょうね」
何か冷たいような・・・
そんなこと無いか
「それで、何処に引っこすんですか?」
「なぜそれを知っている!!」
「今つぶやいてたじゃないですか!」
「盗み聞きだ・・・・」
「しゃべった方が悪いんです」
なぜか明らかに怒っている虎牙、いつもは絶対見せそうにない恐い顔だ
「いや、仕方ないんだよ、うちも家庭が厳しくて・・・・うぅぅ」
泣き真似をしてみる、我ながら下手だなと思う
だがコレが精一杯の泣き真似だ
「はぁ、分かりましたから、何処に引っこすんですか?」
冷静さを取りもどした虎牙
今度はなんだかあきれ気味だ
「いや、学校は変わらないから聞くな」
「そうなんですか!よかった〜、学校変わっちゃうんじゃないかと思いました」
そうかそうか、よかったな、オレは全く良くないんだがな
「それよりなんでここにいるんだ?」
もちろん今のは虎牙に聞いた、2年の教室に1年の虎牙が居るのはおかしいだろう
何か用事があるのか?
「それがですね、誠先輩探してるんですよ」
「アイツなら体育館にいるぞ」
「そうですか、ありがとうございます」
そう言うと虎牙は走って行ってしまった
忙しいヤツだなと思う、今は確か下校時間だな
帰るか・・・・・
「ぴーんぽーんぱーんぽーん、げこー時刻になりました
みなさんハリキッテ元気良く帰りましょう」
と、つぶやいた
だが、だれもいない教室に寂しく通り過ぎただけだった
※ ○ × ○ □ × ○ □
「ただいま、新しいわが家」
新しいわが家、マンションの最上階
何となく嫌な予感
「「「「「お帰りなさいませ」」」」」
「どっから入ったゴルァ!」
大当たり、どこからかブラックレンジャーが出てきた
ココは豪華すぎるほど豪華だ、実家の方がすごいが・・・
ここなら100人でパーティーしても家具を置くスペースが残るだろう
「おまえら用がないなら帰れ」
制服をぬぎながら問いかける
「いえ、今日はコレを持って参りました」
オレの目の前に何かのファイルが2つ置かれた
「何コレ?」
私服に着がえながら聞く
「マンション&アパートの住民票です」
そのファイルを取って中を見る
マンションは階ごとに家賃が違うようだ、オレが居るのが51階だ、
ここだけ他とは比べ物にならないほど豪華、1階全7部屋
アパートは2階建てで全10部屋、みんな同じ家賃か
マンションはついこの間出来上がったばかりみたいであまり人が住んでいない
アパートは満員だ
「へ〜」
「そしてコレが入居希望者です」
恐らくブラックブルーだと思う人から7枚程度の紙を受け取る
アパートが満員なので言うまでもなくマンションの希望者だ
フムフム、佐藤さんに河野さんに・・・・・・・・・・・
「なぜオマエ達までここに住むのだ」
残りの五枚にブラックレンジャーの名が・・・
ってかブラックレッドとかじゃなく本名かけよ
「わたしたちは護衛のものです、命に代えても海斗様をお守りいたします」
そんなこと聞いてないだろうが
もう面倒になったので認め印をおしてやる
「ありごとうございます!海斗様は人が違う!」
「牛」「震度」「童話」「ワッツ?」
イキナリしりとりになったところブラックレンジャーを窓から突き落とし
入居希望書も窓から落とす
そろそろ腹が減ったので飯でも食いに行くとする
っと、その前に
「おーい、モモンガども!」
大声で別の部屋に叫ぶ
するとトコトコモモンガどもがやってきた
「あぁ、果物・・・・・」
モモンガ2がそうつぶやいてオレに飛びかかってかみついてきた
「痛!離れろボケ!」
「どこや!どこにあるんや!わての果物―!!」
「リビングの戸だなの中に隠してあるわボケ!」
「おお!そんなとこにあったんか!」
そう言うと2匹(モモンガ2が2機より2匹が良いと言った)は飛んでいってしまった
なぜ隠しているかというと、二匹とも果物が大好物らしく
大量に買ってあったリンゴが1時間でなくなったことがあった
だから、一日一個までと言うことにしてあり
オレが帰ってきてから隠し場所を教えると言うことになっている
ふぅ、と、ため息を付き町に出かける
○ × □
辺りは真っ暗
ここは2、30件のレストランが建ち並んでいる
さて、何処で食おう?
いつもはインスタントフードなのでこんな所に来ないのだがたまにはゼイタクをする事にする
何か良い店はないものか・・・・・・・・!?
何かの気配を感じ後ろに飛びのいた
それと同時に右にあった木に『バシュ』と、なにかが撃ち込まれた
「ち、かわしやがったか」
「だれだ!」
左の店の影からだれかが出てきた
「おっと、オレを忘れたかい?」
段々見えるようになってきた
「な!オマエはガンソルジャー!!」
ガンソルジャー、愛用の銃SAAで獲物を抹殺する殺し屋
昔オレを殺そうとしたKTKのメンバーだ
KTKとは、主に子供で構成された抹殺部隊だ
KTKはオレをターゲットにするのを止めたと聞いている
なのに何でコイツがココに居る!
「久しぶりだなゴット」
「ゴット?」
何だそれは?まさかそれが消された記憶か?
いや、違う、恐らくゴットというのはターゲットネームだろう
前もそんな風に呼ばれてたような気がしないこともない
「ゴット、残念だがオマエがまた殺しのターゲットだぞ」
「なぜに?」
最もな疑問だ、KTKは2年以上オレをねらっていないのに
イキナリまたターゲットにされたらしい
「内緒だ」
人差し指を口に当て内緒のポーズを取る
「そうか、なら・・・・・殺す」
「お〜恐!!オレ達より残酷なんじゃね?」
「煩いな、オレはむやみやたらと殺さね〜よボケ」
自分を抱えてふるえているガンソルジャーを笑い飛ばしてやった
すると何やら深刻な顔をした
「なんだよ、そんなに見つめるな男にゃ興味ない」
「な、ば、バカ言うな!おれだってオマエに興味何てあるか!」
ふ、敵をいじるのも楽しいな、なんてな
「用がないならオレは行くぜ、腹へってんだ」
「な、背中を見せたらその頭撃ち抜いてやる!」
煩いヤツだ
「は〜?オレが死ぬ分けないじゃん、バカ?」
「・・・・・オマエ変わったな」
・・・・・・・・・・敵に言われましたよ?
マットにも由紀にも亜門にも言われないこと敵に言われましたよ?
なんだかちょっと複雑な気分
「何固まってるんだ」
「い、いや、オマエに言われるとは・・・・・」
「当たり前だ、バトルと恋のライバルなんだからな」
「まだ根にもっとるんかい」
バトルは分かるだろうが恋というのは桜井のことだ
基本的にこいつらとオレの年は近い
オレが小学6年の時にコイツとその時KTKに居た桜井に命をねらわれた
その時は完全に敵対していたが、姉貴が死に1,2年経って
窓からオレの部屋に傷だらけで入ってきた
オレは何の関心も持たなかったが一様手当てをしてやり
オレの部屋にかくまった、竜にはすぐにバレタが・・・・
それから色々あったが、結局オレの護衛&世話係になった
んで、根に持ってるというのは桜井が護衛&世話係になって数日でコイツが桜井に
迎え&告白をしに来たが
『残念でしたねー、私はもう身も心もカイト様にささげちゃいましたからw』
と、爆弾発言をしたと言うことだ。しかも笑顔で
「ふ、毎度毎度良くやってくれるよな、」
「そんなことより敵が居るのに良く落ち着いていられるよな」
「どうせ今殺す気無いだろう?」
「まぁな、最初はその気だったがもう飽きたぜ」
KTK、最悪の部隊にまたねらわれるのか・・・・・
「言っておくが、今回は本気でオマエでもやばいぜ?
人数も補充してあるしな」
人数の補充、なんてこった
昔の戦いでKTKはあとコイツとアローピースだけだったのにな
「何人くらい?」
「さぁな、オレが知ってるだけでも10人はいるぜ」
多い・・・・・最低でも20はいるな
「バグは?」
「1000以上」
バグ、それは多少訓練をしただけの人間だ
あまりつよくはないが、やはり人数が多いと辛い
「絶対的にオレを消そうってか?」
「そのようだな」
人事のように平然と答える
殴ってやりたくなる、
「おっと、そろそろ帰ンねぇと怒られちまう」
「あっそ」
「冷たいなー、ま、次会ったときオマエを完全抹殺するぜゴット」
「オマエにゃ無理だな」
「ははは〜、首洗って待ってろよ」
「ちゃんと風呂入ってこいよ」
「―――――――、く、まぁいい、おれの名前は河東 激 覚えとけ」
「隅の方おいとく」
「十分だ、オレが引きずり出してやる」
「砕いとかなきゃな」
「強力接着剤があるから大丈夫だ」
「ま、楽しみにしとくよ」
「ふふふ、さらばだ!!」
イキナリ後ろに走りだした激
ここから頭を撃ち抜けるのにな・・・・・