「ったく、マジでお前らの果物無しにするぞ!?」

 

「まーまー、落ち着きーな、そないに怒ることないやろ?」

 

何でこんなに怒っているか?

 

簡単さ、コイツらオレが寝ている間にフルーツキャンディー全部食いやがった!

 

ポケットの中で混ざり合った色んな味のキャンディーの中から

 

フルーツキャンディーだけ食うなんて流石だと思う

 

他のも食えばいいのに・・・・・じゃない!!

 

だがなんと全部袋ごと食っている

 

コレはすごいな、袋も栄養としてたくわえるらしいがあまり食わない方がいいらしい

 

だがそんなことどーでもいいように袋まで全部食っている

 

直すのがオレだから壊れないで欲しいなぁ

 

「とにかくお前ら今度からこき使ってやる!」

 

「いつものことやろ?」

 

「いつも以上にだ」

 

「しゃーないなー」

 

なんだかんだ言ってコイツらはコイツらなりにやることはやってくれる

 

そのことには感謝している、たとえばこの間、

 

インスタントラーメンを買ってきてくれていたし、洗濯をしてくれたこともあった

 

以外と役に立つヤツらなのだ

 

このチッコイ体の何処にそんな力が在るんだか

 

だがなぜか掃除と料理だけはやってくれない、家事が出来ないオレにとっては痛い

 

本人らが言うには、掃除はホコリが体に入るからやりたくないらしい

 

実際は有り得ないことだ

 

料理はただ単に出来ないようだ

 

そんなことを考えているとイキナリ新幹線のスピードが弱まった

 

車酔いする方なので気持ち悪い

 

吐いたことはないが眠くなる

 

「苦しぃ〜」

 

「酔うんか?」

 

「おぉ、車も電車も新幹線も船も飛行機も嫌いだ〜」

 

横になって目を閉じる

 

ホントに眠くなってきた

 

「なに寝とんねん、もう着くんやから起き」

 

パンパンと頭をたたかれる

 

「あと5分〜」

 

「ガキか」

 

ガキでも良いから眠らせてくれぃ

 

もう目を開ける気力すら残ってない

 

「しゃーないなー、ほれ、口開けい」

 

「あが」

 

モモンガ2に無理やり口を開けられ中に何か入れられる

 

あ、甘い・・・・・・・・・って

 

「辛!!!」

 

始めはかなり甘かったがすぐにムチャクチャ辛くなった

 

すぐにソレを噴き出す

 

「かっ・・ら〜、うわ〜舌が痛い、おい、何だよコレ!」

 

床に落ちているアメだと思われる物を指さす

 

モモンガ2はアメの袋を見ながら答える

 

「なになに?『特製唐辛子キャンディー』やて」

 

「ンなもん食わすな!!」

 

 

 

○×□

 

 

 

新幹線を降りて駅を出る、やはり周りの視線が痛い

 

新幹線の中でモモンガ共をポケットの中に入れてて良かった

 

「おい、リス共おとなしくしてろ」

 

ポケットの中で暴れているモモンガ共に届くようにしゃべる

 

「こないにせまいとこで落ち着けるか!」

 

何を言っても無駄か・・・

 

 

 

 

○      ×      □

 

 

 

 

「ほら、着いたぞ」

 

ポケットからモモンガ2を引っ張り出す

 

「う〜わ〜、なんやねんココ」

 

目の前には10メートルくらい在る門

 

その門の先にでっかい豪邸、いつ見ても落ち着かない

 

「なんや?ヨーロッパには城がありそうやの」

 

「あるな」

 

「・・・・・」

 

「アフリカやカナダにはこの門よりデカい門の先に緑色の草原が広がっており

 

その100キロ位先に城が建っておりそしてその城―――――――――」

 

「もうええ」

 

もっと詳しく聞かせてやろうかと思ったがモモンガ2に口をふさがれた

 

小さい手でよくふさげるなぁ

 

「そうか、じゃあそろそろ行くか」

 

口をふさいでいた手を退けそのデカイ門の横の塀をよじ登る

 

10メートルくらい在るのだ、かなり疲れる

 

「は?なんや?不法進入かいな」

 

肩の上からモモンガ2が声をかけてくる

 

「ダレにも見つかりたくないんだよ」

 

塀のてっぺんまで登り、格好良く立ってポーズを決めてみる

 

そのまま目線をしたに向ける、いつ見ても高いな〜

 

そう、ここから湖にダイブするだ

 

「モモンガ1二等兵にモモンガ2三等兵、準備は良いか?」

 

「な、なんとか」

 

かなり震えているモモンガ2の声

 

仕方ないだろう、オレも初めて飛びこむときは心の準備に2時間掛かった

 

今でも足がすくむ

 

モモンガ1は今だポケットから出てこない

 

おぼれたりしないか心配だ

 

「よし、3・・・2・・・1・・・0!!」

 

勢いよく水に飛びこむする

 

風が痛い、息がしにくい

 

『ドッボ〜ン』

 

頭から水に飛びこむ、

 

もちろん今の水しぶきで警備の人たちが来るわけである

 

そのまま泳いで、湖の底の方にある水路を通って自分の家に浸入する