ここは地下、地下の水路と湖がつながっている

 

正直自分の家に浸入するのはスリル満点だ

 

オレの部屋は2階にあるのでまだしばらくこのスリルを味あわなくてはならない

 

モモンガ2とモモンガ1はおとなしくポケットで昼寝中だ

 

いや、言ってみるにモモンガ2は失神だろう

 

ソレより気になるのがビシャビシャの服だ

 

動きにくい、帽子とサングラスはさっき外れてしまった

 

ついでにマスクも外しておく、服は自分の部屋に帰ったら着替えるか・・・

 

まず一階に続く階段をのぼる、気のせいだろうか?

 

今日はいつもより警備が少ないような気がする

 

一階、ダレモイナイ

 

二階に上る、ダレモイナイ

 

今日は何かの行事があっただろうか?

 

無いはずだ、いや、あった!

 

今日は確か年に一度の社員旅行の日だ!

 

みんなカリフォルニアの別荘に行ってるはずだ

 

何てラッキーなんだ、ココに残ってるのは精々外のバイト警備員さん20名

 

この屋敷内はフリーだ

 

「うっしゃー!パラダイス!!」

 

思わず叫んでしまった、だがココにはダレモイナイはずだから全然OK

 

「なんだ!?だれかいるのか!!」

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・今のオレの声じゃないよ?

 

だれかこの屋敷の中にいる!?

 

ドタドタドタドタドタドタドタドタドタドタド多ドタドタ

 

こちらに向かってくる足音、コレはマズイ

 

どうする?ア○フル?

 

とにかく自分の部屋に逃げ込む

 

ガチャ(ドアを開ける音)スタ(中に入った音)バタン(ドアを閉めた音)

 

どうにか助か・・・・った・・・・?

 

・・・・・・・・・・ここ、オレの部屋だよな?

 

分かるわけないか、とにかくココはオレの部屋だ

 

確実に、100%、おそらく、たぶん、きっと、うん・・・・・

 

だがベットの上には桜井が寝ているように見える

 

目の錯覚だと決めつけ荷物の整理を始める

 

うん、オレの荷物がしっかりあると言うことはココはオレの部屋だ

 

よってベットの上の生命体は勘違いだ

 

だがやはり幻覚だと分かってもココで服を着替えるわけにはいかないだろう

 

着替えはあきらめることにする

 

まず銃、次はナイフ、その次は剣、そして小型爆弾

 

って、アブナイ物ばっかりバックにつめていた

 

服などは帰りに買って帰ることにする、他にいる物は・・・・・・・・・ない

 

ないないないないないないないないないないないないないないないないないないんじゃ

 

オレは確か何を取りに来たっけ?

 

ああ、銃か、オレは銃を取りに来たんだったっけ?

 

もういいや、帰ろう

 

ココに居ると危なそうだし・・・

 

ガチャ(ドアを開ける音)スタ(外に出た音)バタン(ドアを閉めた音)

 

廊下に出る、廊下を走って逃げる

 

逃げろ逃げろ逃げろ逃げろ何となく逃げろ

 

そして一階の階段をかけ下りる、

 

「ワン!!ワン!!」

 

かけ下りるとちゅう犬発見

 

いや、犬に発見された

 

その犬はオレを発見するなり飛びつこうとしてくる

 

そうなると必然的にオレは逃げようとするわけである。いや、逃げる

 

後ろに方向転換して階段をかけのぼる

 

「ワン!ワン!」

 

「く〜る〜な〜」

 

犬が苦手なわけではないがこのバカ犬は苦手だ

 

一気に一階から4階にワ〜プ

 

いや、ホントに瞬間移動した訳じゃないよ?

 

「ワン!ワン!」

 

「や〜め〜れ〜」

 

いつまでも着いてくる犬、あと1時間は全力疾走しそうな雰囲気だ

 

あと1時間もオレは走れる訳じゃないのでココで止まって正々堂々バトルしてやる

 

「うらぁ!かかってこいポチ!正々堂々この麻酔銃でぐわあぁ!」

 

「ワンワン!」

 

ポチと呼ばれた(オレが呼んだんだけどね)犬がオレの腹に乗ってきた

 

ってか、顔をなめようとしてくる

 

「やめい!このバカ犬!正々堂々勝負しろ!!」

 

必死でその攻撃を手で防ぎながら言う

 

犬に言葉が通じる分けないか・・・・・

 

ココで丁度良くモモンガ1、2がポケットからでてきた

 

「おわっ、丁度良いところで、助けろモモンガ1&2!!」

 

モモンガ共に呼びかける、

 

だが、モモンガ2は不敵な笑みをうかべ

 

「なんや?さっきの恐怖で目が見えん」

 

と言う、いや、恐怖で目が見えないなんて・・・・在るかも知れないけど

 

君はロボットだから!ロボットに精神障害は無い!

 

モモンガ2に何を言っても無駄だと言うことは分かっているので

 

モモンガ1に視線を移す、だが目を逸らされた

 

「おい、お前もかい」

 

コクリとうなずくモモンガ1

 

なんだか悲しくなる

 

「助けて〜〜〜〜」

 

叫んでみる、だが人がきたら反対にやばくなるんじゃないかと思う

 

ってかヤバクなる、オレ的に

 

「あ、こんな所にいた〜、ポチおいで」

 

と言う声がした

 

その声は『オレが会いたくなかった人』ナンバー3の声に似ていた

 

ってかその声だと思う・・・

 

その声がした方にポチが行ってしまう

 

助かった・・・、今のうちに逃げよう

 

「あ!!パパだ!!」

 

見つかってしまった・・・

 

声のした方をシブシブ見ると、小さな少女が立っていた

 

その少女はオレを見るなり飛びついてきた

 

「パパだパパだーー!!」

 

喜んでいるがオレは迷惑だ、

 

オレは桜井と竜に無断で家を出た、そのあとの連絡は一切してない

 

あとで桜井や竜に見つかったら殺されるだろうな

 

頭をなでながらそんなことを考える

 

「パパどこいってたの?」

 

「北海道に出張」

 

それらしいことを言っておく

 

おっと、この子の紹介はまだだったな

 

この子は歌織(かおり)外国でオレが拾ってきた

 

捨て子で町をさまよってたところをオレが養子にもらった

 

まぁ実際に養子縁組を結んだ訳じゃないけどな

 

ンでもってオレのことを『パパ』だ何て言っている

 

「パパ!ママ呼んでくるね!!」

 

「待てぃ」

 

後ろを向いて走り出した歌織の肩をつかむ

 

歌織は不思議そうにこちらを見る

 

「ママってダレじゃい」

 

「ママはママだよ」

 

オレが居たときは『ママ』何て居なかった

 

あくまでもオレがパパで他の人をママなんて呼んでなかった

 

「とにかく呼んでくる!」

 

そう言うとポチと走って行ってしまった

 

歌織が居なくなったから早くココとおさらばする

 

窓から庭を眺める、やはり外の警備は多い

 

ココを脱出するには強行突破しかない!!

 

「と、言うわけでモモンガ共、さっきは良くも無視してくれたな」

 

「無言で窓の外見てタソガレといて『と、言うわけで―――』何ていわれとも何がなんだか」

 

オレの言葉にモモンガ2が答える

 

「黙れボンサイ、家に帰りしだいお前らには買い物に行ってもらう」

 

そんなことでいいんかいオレ!!

 

もっと厳しく行こうよ?

 

「そんなことよか子持ちかいな?嫌やな〜、最近の若造は手が早くて

 

子供があの年なら小学くらいの時か?」

 

「断じて違う」

 

意味ありげな眼差しで見ながら見てくるモモンガ2

 

オレはそれを断固不定する

 

「隠さんでいいて、秘密にしといたる」

 

「人の話を聞け」

 

やはりモモンガ2には何を言っても無駄のようだ

 

モモンガ1、2を無理やりポケットに詰め込み階段をかけ下りる

 

「ちょっと待て」

 

突然の呼びかけ、そしてこの声は『オレが会いたくなかった人』ナンバー2の声

 

恐る恐る後ろを向く

 

「は、ははは、」

 

「よぉぉ、ひさしぶりだなぁ」

 

明らかに不機嫌な様子

 

「え・・・っと、わ、ワタシニホンゴワッカリッマセ〜ン」

 

「それならコブシで語り合おうか」

 

顔は笑顔に見え無くないが音声と目が笑っていない

 

竜事、風見 竜(かざみ りゅう)は怒っていらっしゃる

 

理由はさっき言ったとおりコイツと桜井に無断で家を出たこと

 

しかも一切連絡しなかったこと

 

『家を出る』なんて言ったら絶対着いてくるだろうし

 

連絡何てしたら逆探知されかねない

 

「さてと、死合(しあい)のゴングが鳴るぞ」

 

「漢字違う!!」

 

「なんだ、日本語が分かってるじゃないか」

 

「今猛勉強した」

 

とにかくごまかすことにする

 

だが、そんなことがいつまでもつか・・・・

 

精々30分だろう

 

「さてと、バカは一度死なないと直らないって言うからな〜」

 

「その銃をしまえ!!」

 

懐から銃を取り出したのでつっこんでやった

 

結局30秒しか保たなかったな

 

「竜よ、話し合ったらきっと解決するさ」

 

「無理だな」

 

即答

 

「こうなったら、お前を魔法でやっつけてやる」

 

「やってみろ」

 

          ・・・・・・・・・・無理ですね

 

そんな非現実的なことオレには出来ません

 

「まほーのつえさえ在れば・・・」

 

「そうか、それは残念だな」

 

素っ気ない返事を返してくる竜

 

まほーのつえの存在自体信じてないみたい

 

「ふ、死ぬ前にカクテルが飲みたい・・・」

 

「ほら」

 

どこから取り出したのか一本のビンを投げてきた

 

「なにの?」

 

「リンゴ、ミカン、レモン、少々のミルク」

 

そうですか・・・・・・

 

相変わらず美味しそうですね

 

ビンを開け一気に飲む・・・・・・・が

 

「ゴホ!な・・・濃い・・・アルコール多すぎ・・・・・」

 

「当たり前だ、99%アルコールだからな」

 

そんな物飲めません

 

頭痛い・・・ふらつく・・・・・

 

「覚えてろよ・・・・あとで・・・・・桜井特製シビレ薬・・・・飲まさせてやる・・・」

 

「一気に飲む方が悪い」

 

オレの意識はそこで途絶えた