「うぅ?」
「あ、おはよう、海斗君」
目を開けると女の人の顔、どこかで見たことがある
「あら、私の事忘れちゃったかしら?」
誰だったか・・・・・
・・・・ってか
「何で十字架縛りになってんだ!」
どこだか分からないが、とにかく暗い
そして寒い、おそらく地下かどこかだろう
「それより私のことを本当に覚えてないのかしら?」
その女の人は俺の顔を両手で挟み、無理矢理視線を合わす
誰だったか・・・・・
「残念ね、私はあなたに気があったのに・・・」
いきなり弓を俺に向ける
「あ!!アローピース!!」
「正解♪」
アローピース 本名 南 奈美
KTK所属の弓の使い手
俺より一才上で、昔からKTKに居る
昔からまったく俺を殺そうとせずに追い掛け回してばっかだった
「弓を見たら思い出すなんて、私はどういう印象があるのかしら」
「は、ははは、生き別れの姉に会えたみたいで嬉しいよ」
そういうとアローピースは少し悲しそうな顔をした
奈美さんは姉の親友だった
「・・・墓参り行ってやってくださいよ」
「だって泣きそうになるじゃない・・・」
亜門と一緒の事言ってる・・・
「泣いてやってください、姉はきっと笑います」
「・・・ふふ、そうかもね」
笑ってくれた奈美さん、
なんだか大人っぽさが増して本当に美人になった
「おい、アローに見惚れるのはいいが自分の状況を考えろ」
何時の間にか、もしかしたら初めから居たかもしれないが
横に居た激の声で我に返った
「・・・・・センスねー私服」
「突っ込むとこはそこか!?」
激が着ている服は・・・・・なんと花柄
ピンクの花柄セーターに青いジーンズ、組み合わせはなんとなくOKだ
・・・・・女なら、女なら可愛いだろう
激が着ると気色悪い
「相変わらずの女物の服だな」
「うるせー、なんとなく落ち着くんだよ」
うわぁ、変態さんだぁ、
「その目はヤメイ、なんだか悲しくなる」
「なら服装をどうにかしろ、それとなんで俺はこんな場所に居るんだ」
その問いには奈美さんが答えてくれた
「服装の件ならあきらめたほうが良いわよ、絶対治さないから
それと海斗君これから死刑、」
うわっ!スラッと言いますかそんな事?
ああ、だがやっと死ぬんだなぁ
今まで死ななかった自分がすごい、
「死にたくない?」
「どうでしょう、別に遣り残した事ないですし、痛いのは嫌ですけど・・・」
せめて頭を一発でシトメテクダサイ
「そう、それなら逃がしてあげましょう」
そういうと奈美さんはきつく縛ってある縄を解いてくれた
「いいんですか?こんな事して・・・」
「どうかしら?少し怒られるかもね」
冷静ですね
激の方を見ると俺の2丁の銃を投げてくれた
「キングに挨拶入れていけば?」
激の言葉、
キングとはKTKの部隊を作ったおっさん
KTK自体が組織じゃない
KTKはあくまで部隊だ
戦闘能力がズバ抜けた戦闘部隊
「考えとく、それじゃあな」
適当に手を振って走って逃げる