今日は日曜日
暇なので出かけることにする
さて、どこに行こう?
いつもなら神社に行くんだが、今日は別の場所に行こう
町をブラブラするのも良いな・・・・・・
家を出て、商店街に突っ走る
途中道行く人に変なふうに見られながら・・・
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休日の出来事
・
「うわーん、痛いよぅー」
公園の前を通りかかったとき、不意にそう聞こえた
見ると、砂場で泣いている3才くらいの男の子がいた
だれも近寄ってあげないので、仕方なく近寄る
「どうしたの?」
「転けた〜〜〜」
昔を思い出す、よく由紀が泣いていた
「ええっと、お母さんは?」
「グス、お買い物」
無責任だな、
何となくそんなことを思う
「じゃあまず、傷口をお水で洗おうね」
「うん・・・・」
どうやら少し落ち着いたらしい
そのままその子の手を握り、手洗い場に連れていく
こういう事をするとき、周りの視線が痛いのが辛い
「どこを怪我したの?」
「ここ・・・」
左足のひざを指さす
それなりに血が出ている
だが、こんなので泣くなんてまだまだ子供だな、と思う(子供だが・・・
蛇口をひねり、出てきた水で傷口を丁重に洗ってやる
洗えたら傷口をハンカチでふいてやり、
なぜ持っているのか分からないバンソウコウをはってやる
「はい、これからは気を付けてね」
「うん!ありがとうお兄ちゃん!」
そういうと、走ってまた砂場に行ってしまった
走るとまた転けそうで恐い
公園を出るとき
「あんな出来た子供が欲しいわ〜」
「うんうん、でもあのメガネは変よねー」
など、暇な主婦が話していた
○ × □
商店街に着いた、ココは煩いのであまり好きではない
だが、自分を変えるには慣れなければならない
「いらっしゃい!今なら豆腐2丁で99円だよーー」
「お肉安いよーー、200グラム168円!!安いよー」
「トマト安いよ〜、今ならあたしの愛情付きで1つ78円〜」
等々聞こえた
いや、『あたしの愛情付きで』ってなんだよ!
そんなんで売れるのかよ!
そう思い、声の方に目を向けると一軒だけ男まみれの店発見
「うわ・・・・見苦しい・・・・」
「そうだね〜」
「のは!?」
突然の横からの声
見ると、マットが立っていた
オレの知っている人は、イキナリ現れるのが得意だ
「きっとみんな忍者なんだな・・・・フ・・・寂しいぜ・・・」
「カイト君・・・・・壊れちゃった?」
こういう時いつも心配してくれるマットが輝いて見える
「壊れてない、ところで何やってんの?」
「お使い」
手にあるかごをオレの目の前に見せる
要するに買い物か、
こういう所では手にかごを持ってるんだな・・・・・・
「オマエと一緒にいるのイヤだな〜」
「なんで?」
「女どもに恨まれる」
「ははは、今更そんなこと気にしても遅いよ」
ははははは、たしかに
廊下を歩くだけで変な目で見られるからな
理由がそれだけとも限らないが・・・・・・・・・・
「何でオレのとなりに立っている?」
「ココの八百屋のかぼちゃが欲しいんだよ」
かぼちゃ・・・・・かばちゃ・・・・・
「家母茶」
「は?」
「かぼワチャーーー!!」
「カイトく〜ん・・・」
なぜか泣きそうな目でこちらを見る
そんな可愛い顔されても、悪いけど男にゃ興味ないぜ
「HAHAHAHAHA、私は自然保護管理官007」
「カイト君が完全に壊れた〜」
そう言いながらうつむいてしまうマット
「大丈夫だ少年、地球に明日はある!この地球管理官007が居る限り!!!!」
オレがマットの肩に手をおく、が
「そんなの良いから元に戻って〜」
と言いながら、さらに落ちこむ
「あれ?もしかしてカイっちに新田君?」
と、言う声とともに
八百屋の方からだれかが近寄ってくる
出てきたのは、エプロン姿の鈴だ
「あ、こんにちはカワサ―――――――」
「出たな犯罪者!!!オマエが居たら地球に明日無い!!
今ココでブッ倒してやる、覚悟し――――――――」
ズバーン
「何訳の分かんないこと言ってるのカイっち!
頭大丈夫?ものすごくいたそうだけど・・・」
「それは川崎さんが、ハリセンで殴ったからだと思うよ・・・」
『たたいた』のでなく『殴った』のだ
頭が割れそうにいたい・・・・・
「ひよこがお空を飛んでいる・・・・・」
「カイっち〜・・・・」
今度は鈴が泣きそうな目で見てくる
どうしたんだ?オレってもしかしてむちゃくちゃ心配されてるのか?
「オレは悪魔人間です」
「普通の人間でしょ〜、カイト君パズルのピースのようにバラバラに壊れた〜〜」
「カイっち〜」
2人ともその場にすわりこんでしまった
そんなにオレは心配をかけてるんだろうか?
「オレそろそろ帰るわ・・・・」
「その前に病院行こう?」
「そうだよカイっち、あたしも付いていってあげるから」
「そんなことより何でオマエがココにいる」
鈴に指をさす
「あたしココで一日バイト中」
「じゃあ店もどれよ」
「あ、そうだった、それじゃあね、病院ちゃんと行くんだよ?」
なぜか手を握って至近距離での会話
しゃべるごとに出る吐息が甘い香りがする
「わかったわかった、さっさと行け」
「うん・・・、新田君、ちゃんと連れてってあげてね」
そう言うと、店の方に走って行ってしまった
鈴が見えなくなったらマットが
「さて、病院に行こうか」
「いい、遠慮しとく」
「ダメだよ、川崎さんとも約束したでしょ!」
「アレは約束とは言わないんだ!」
「でも川崎さんまだ見てるよ」
誠が店を指さす
恐る恐る見てみると、こちらの会話が聞こえていないのか
まだ心配そうに見ている
「・・・・・・・・・・」
「カイト君、さ、行くよ」
「・・・・・・・はい」
あっけなく誠に連行された
○× □ ○
「ヤバイ!!!」
「なにが?」
「・・・・・・・・・・」
逃げ出そうとして言葉を発したが、あとが続かない
何か無いか、何か無いか、何か無いか、何か無いか
キラン★
前方に虎牙発見♪
「おーい、虎牙〜」
「あ、カイ兄に誠先輩」
虎牙が走って近寄ってくる
公園にいた子供みたい・・・・
「転けるなよ」
「へ?転けませんよ?」
「そうか・・・、」
「な、何で残念がるんですか!」
高校生の手当てがしてみたくなった
と、言ったら変態呼ばわりされるだろうか?
「ところで虎牙君、君は何をしているのかね?」
「あぁ、何か川崎先輩呼び出されてバイトを手伝えと・・・・」
「オイ、いいんかいソレデ」
「川崎先輩が『部活の部長の命令は絶対なんだよ?』と、言ってました」
いやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいや
いやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいや
いやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいや
絶対だまされてますよ!!!
誠を見ると苦笑していた
「虎牙・・・・・・・、行かんでよし!!」
「えぇ!!でも部活辞めさせられたら・・・」
「鈴の電話番号知ってるか?」
「え?あ、はい、携帯電話に登録してあります」
「貸せ」
虎牙から携帯を奪い取り、電話帳から『川崎先輩』を選ぶ
RRRRRRRRRRRR
『もしもし?虎牙君?遅いよ早く来て〜』
「後輩は奴隷じゃねーーーーーー!!!!!!」
『え!!!か、カイっち!?なん――――――――』
ブチ (携帯を切った音)
「OKOK、さ、どこ行こうか?」
「い、いいんですか?そんなことをして・・・・・」
「OKOK、全く問題ありません」
ココでオレの思考回路作動
「マットや、お主カボチャはどうしたのじゃ?」
「あ!忘れてた!!」
慌てるマット、本来の目的忘れるなよ
案外コイツもバカなんだな〜、と思う
「そうであろう、そうであろう、虎牙よコヤツに付いていってやれ」
「え?あ、はい、カイ兄がそう言うんだったら」
やっぱり虎牙はお人好しだな
「と、言うわけでさっさと行け」
「うん、あれ?何か忘れてるような・・・」
「カボチャと一緒にナス買ってくるとかじゃないのか?
あっちに付いてから考えろ、品を見ながらの方が思い出しやすいぞ」
「うん、わかった、虎牙君行こうか」
「はい」
2人は、歩いて行ってしまった
何で虎牙まで行かせる必要があったんだろう?
アイツらバカだな
あれ?そういえば鈴のバイトの店って
八百屋だったような・・・・・・・
まぁいいか、過ぎたことだし、オレに支障はないし・・・・
○ × □
カランカラン♪
「ハロー」
「おや?カイト君じゃないか、バイトしにきたの?」
ここはオレのバイトの店
入った瞬間暇なマスターに声を掛けられる
「いや、今日はお客として来ました〜」
「そうかい、今日君で丁度20人目だよ」
なんと!もう午後4時ですぜ?
店を見わたしてら、一組のカップルがいるだけ
「マスター、席案内してよ」
「ウエイターさんがいないから無理」
嫌みですか?
空いている席について、メニューを見る
「マスター、カモーン」
「ウエイターさんがいないから無理」
イジメですか?
「ははは、ほんの軽い冗談だって」
そう、笑いながらこっちに来る
この人といると、何となくなごむ
「お客様、何に致しましょう?」
いつもなら、コレはオレの役目だったりする
「似合いませんね」
「シクシク」
泣き真似なんかもヘタッピなマスター
「紅茶とウルトラハチャメチャ美味いフルーツケーキ下さい」
「オーケー、ウルトラハチャメチャ美味いフルーツケーキ1つ!!」
マスターが、店のおくの方に叫ぶ
「・・・・そんなのない・・・・」
奥の方から声が聞こえてくる
「だとさ、残念だな」
そうオレに向かって言う
「ですね、でも欲しいです」
「わがままだな、自分で頼めば?」
「そうですね、真奈ちゃん!超ウルトラハチャメチャ美味いフルーツケーキ下さい!!」
『超』が新しく着いてしまったが気にしない
すると奥の方から、だれかが走ってきた
来たのは・・・言うまでもなく真奈ちゃん
白いエプロンで、白い帽子の・・・
「・・・カイト先輩・・・・・だったんですか・・・・・自信ありませんが作ってみます」
そう言うと、顔を真っ赤にしてまた戻っていった
「作ってくれるみたいですよ」
「そうのようだ、よかったな」
なんだか素っ気ない返事だったような気がしたが気にしない
○ ×□□△○×※#$%
「来ませんね」
「心配だ・・・・」
超ウルトラスーパーハチャメチャ美味しいフルーツケーキを頼んでから2時間
今だケーキがやってきません
え?また何か増えたような気がする?気にしない気にしない
「マスター見に行って下さいよ」
「彼処は魔奈に入るなと言われている」
そう言えばマスターが入るところ見たこと無いな
オレは何度か入ったことがある
「じゃあオレ行って来ます」
「怒られても知らないから!!」
なんだか子供っぽく言うマスター
正直不気味です・・・・・
席を立ち、真奈ちゃんの領域(調理場)に入っていく
どうやって買いそろえたのか、おかし作りの器具がパッと見ただけで
2、30個はある、だがまだ引き出しの中などにもあるのだろう
コンロがある所の近くまで行くと真奈ちゃんが床に座り込んで寝ていた
「あーあー、顔にクリームいっぱいつけちゃって・・・」
ほっぺたに付いているクリームを指ですくって食べる
何度か真奈ちゃんのケーキを食べているが、このクリームは一段と美味いような気がする
ん?
テーブルの上にフルーツケーキ発見
食ってイイのか知らんがケーキが食ってくれと言っている
どこからか取り出したフォークで一口だけ食べる
「・・・・・・・・・・美味い・・・・・・・・・」
思わず声に出してしまった
正直甘い物は好きではないのだが
真奈ちゃんが作るおかしはベトベトした甘さでわなく
スッキリした甘さで美味しいのだ、
何というか、ソフトクリームのオレンジみたいな・・・
まぁとにかく、美味いのだ
一口だけと思っていたら次から次へと手が出てしまい
結局全部食べてしまった
空っぽになった皿を見て一言
「・・・・・美味かった・・・・じゃない!!どうしよう・・・・」
一言じゃないね・・・
とにかくどうするか・・・・、とりあえず真奈ちゃんを起こそう
「♪ぴよぴよぴよ、朝ですよ!ひよこがお空を飛んでいる〜♪」
と、訳の分からない歌を歌いながら
真奈ちゃんの体をゆする
「♪コケコケコッコー、3年経ってひよこがニワトリに進化した〜♪」
あくまでも歌を歌い続ける
「・・・・・んん・・・・・あれ?」
真奈ちゃんが起きた、目が半分しか開いていない
「あ、おはよう、ひよこは結局ハクチョウになったよ」
「・・・?」
ああ、何いってんのか分かってないのかな?
「真菜ちゃん。おいしかったよ」
「・・・・・・・・・・・・・・えぇぇ!!!」
イキナリ自分を抱きかかえるようにして後ずさった
「いや違うから、ケーキ」
「あ、・・・・・ホントに美味しかったですか?」
「うん、いつもの何倍も美味しかった」
「・・・・・・・・・・・」
照れたように顔を赤くした真奈ちゃん
「おーい、カイト君やーい」
マスターの声がする
「なーんでーすかー?」
だらけた声での返事
「もう遅いから泊まっていきなよ」
バイトで遅くなったらたまに泊まらせてもらうことがある
「いい?」
一様真奈に確認しておく
真奈は無言で縦にうなずく
「じゃー泊まらせていただきます〜」
「あいよ〜」
ん〜、眠いな・・・・
頭がくらくらする、アイムスリーピー
「真奈ちゃ〜ん」
「ひぅあ!?」
そのまま真奈ちゃんを押し倒して寝てしまいました
終わり