ベランダから空を見ながらつぶやく
ここは『迷いの森』と言う人間にも魔族にも恐れられている森
名前の通り一度入ったら出られない
だってキリが張ってるし魔物も強いし地形も複雑だ
事実オレも慣れるまで五日掛かった
その森に家を建てるなんてオレも根性がある
家の周りだけ定価一千億ガル位する特殊なアイテムで結界を張って在るから安全だけどな
（１ガルを１円だと考えて下さい、分かりやすいように日本円と同じような考え方でＯＫ）
オレの紹介をして無かったかも。いや、してない
オレはカイン、ファミリーネームは好きじゃないので語らない
訳はないが魔王の座を捨てて家出中
いや、魔王が面倒、嫌いという理由で家出中
家出するときにこの結界のアイテムも持ってきた
魔剣デスサタンと短剣二丁と片手剣二丁とオレが作った特殊武器と
ありったけの食料と水と金も持ってきた
もちろん黙って
なぜ短刀か、人間たちの職業と同じように魔族にも使いやすい武器という物がある
オレは軽くて使いやすい武器と二刀流が好きだ
戦闘の時は大体、特殊武器、短刀２丁、片手剣２丁だ
魔剣は使いたくない・・・・・けど持ってきた
オレは国のみんなにも妖精や精霊にも慕われているらしい
実際の所はよく分からない
それにオレは魔王一族の血を受け持っていない
なのに神に魔王として選ばれた
魔王一族が滅亡している訳じゃない
きっと魔王一族にネタマレテいるだろう
だから家出してきて良かったんだ・・・・・と思う
頼むから国が大変なことになっていないことを祈る
もちろん祈るだけ、実行は面倒だ
ココに移り住んで１２ヶ月、食料も尽きてきた
明日は初めて人間の町に出向くとしよう
× ○ □
魔王の毎日は退屈だった、
美味しい食事、美しい婚約者、楽しいオモチャ
何でもそろえてもらえる
だが、つまらなかった
うまい飯が欲しいわけでもない、妻となる女だって勝手に決められている
オモチャより外に出たい
だから城を飛び出した、
簡単だった
城を抜け出すなんてテレビゲームをクリアするより何倍も簡単だった
オレの容姿は人間と差ほど変わらない
羽さえ消せば人間と区別が付かない、
魔族の中には一目見ただけで魔族だと分かるヤツもいる
それが魔王一族だ
ドラク○のゾ○マやバラ○スのようなヤツ、デスピサ○やエスタ○クのようなヤツも居たらしい
その中にオレも混ざるのだと思うと吐き気がする
・・・・・町が見えてきた
×□△―――――――――――――――――――
活気がある町だ、何処の町もこうなのだろうか？
いや、それはないだろう
ここはハンドロウス国、確か人間の国で２番目に大きな国だったと思う
「そこの若いの、おまちなさい」
「わ？」
肩をつかまれた
「なんですか？」
ふり返るとやけに年老いたおじいさんが立っていた
「コレがなんだか分かるかな？」
「ああ、ただの地図じゃん」
おじいさんがオレに渡したのはどこにでもある地図
・・・・・・・？・・・・・違う・・・・
「ほっほっほ、迷っておるな？」
「ん？ああ、なんだこれ？」
始めはただの地図に見えたが、なんだか魔力を感じる
「それが分かるというかとは、やはりただ者じゃあないようじゃの」
何となくだが変な感じがする
コレが地図かどうかすら分からない
「それはお主に渡そう、大切にするのじゃぞ」
「まぁ、ソレナリニ。」
「ほっほっほ、十分じゃ」
そう言うと変なじいさんは何処かへ去っていった
こんなもんを渡されても困る
どうせ森から離れないのに・・・
まぁ、良しとしよう、もうけたと考えれば苦じゃない
×――――――――――○――――――――――□――――――――――――
ココは裏通り、裏通りと言うより人がダレモイナイ細い道
欲しい物は大体買った
「魔物だー！！魔物が攻めてきたぞー！！」
だれかがそう叫んだ、
魔物にも大きく分けて２種類在る
理性がある魔物
理性が無く、動物のような生物
理性がある魔物は大体が魔王の支配下にある
理性がない魔物は生きるために食べ物を探しさまよう
「城に非難しろー！！」
ダジャレではないと言うことだけ確認しておこう
このクソ重い荷物を持って非難する
食べ物の大半が賞味期限が５年以上先の保存食だ
これだけ在ればオレ一人で３年は生きられる
丁度この裏道は城の門の前まで続いている
ノシノシと歩く
・・・・・・・・・・見えてきた
一人の少女とこの国の騎士団だと思われる人が戦っている
少女まで戦わせるのかこの国は・・・
そんな必死に戦ってる奴らを素通りして城に入る