〜ミルフィーユ〜
「い〜よね〜、ミルは一杯キープがいてさ〜」
キステイの宿でのミントの一言
「キープ?」
キープって何のだろう?
お菓子?お金?なんだろう?
そんな私を見てミントは拗ねながらこう言う
「男よ、お・と・こ」
「え?」
男と言うと恋人かな
でも、私は誰とも付き合っていない
「もぉ、何度も告白されてるんでしょ!」
何でか少し怒りながら言うミント
告白はされた
此処に着てから20人くらいに、でもつきあってはいない
「だ〜か〜ら〜、どんな人ともつきあえたり告白をして振られても大丈夫だねって事よ!」
そう言う意味・・・・・
でも告白して振られても大丈夫って事は無いと思う
「で、でも好きじゃない人と付き合っても・・・」
私がこう言うとミントは『チッチッ』と指を振った
「甘い甘い!将来いい人生を送ろうと思うのなら財産よ、ざ・い・さ・ん!」
あ、また始まってしまった
こう言う恋愛の話になると2時間は聞かされる
そう確信したとき、ドアからパールさんが入ってきた
助かった、パールさんならこの長い話を止めてくれるから
「ねー、明日には出発するって」
パールさんからの驚きの一言
普通、キャラバンは大体7日間は同じ町で過ごす
でも、まだこの街には今日ついたばっかり
「え?なんでよババア。」
ミントが聞く、私も同じ事を聞きたいけど言い方が悪いと思う
「うっさいわね子娘、あたしはミルに話してるの!」
パールさんの反応
相変わらず仲の悪い2人、喧嘩が始まる前にどうにかして止めないと・・・
「パールさん、どうしてですか?」
とにかく笑顔でパールさんに問い掛ける
パールさんがこっちを向いて話してくれる
「うん、なんだかマックの占いでケルルマフがヤバイ事になるんだって」
マックと言うのは、
マック・クライスと言う占い師の仲間でよくその占いが当たる
ケルルマフと言う町は聞いた事がない
きっとあまり有名じゃないんだろう
「やばい事ってなんですか?」
私が聞くとパールさんは困った顔をした
「うん、それが教えてくれないのよ」
教えない、マックさんにも分からないのかもしれない
兎に角今日は体をゆっくり休ませよう