〜カイン〜

 

ココンについた、もう外は真っ暗だ

 

早めに宿をとりたいものだ

 

宿屋を探しに足を動かす、色々店があるがどこももう閉まっている

 

貿易物や掘り出し物、やっぱり港町は違う・・・

 

一軒目の宿発見、・・・・・・・・・・開いてない

 

ドアに紙が張られている。『本日満員』

 

港町だから仕方ないか・・・・・

 

二軒目、「ごめんなさいね〜、今日は満員なのよ」

 

三軒目、「あ〜、この宿は予約制なんだ」

 

四軒目・・・・・・五軒・・・・・六・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

ははは・・・・・・・今日は野宿かな・・・・・

 

「やめて!」

 

何処からとも無く悲鳴

 

「い〜じゃん、あそぼーぜー」

 

今度は何処から来た声かわかった

 

建物と建物のあいだから声がした、結構広いな

 

行ってみるか行かないか

 

面倒事は嫌なので行きません

 

その場を去ろうとしたとき、声のした隙間から女の子と数人の男が出てきた

 

逃げ出したんだと思われる女の子はすぐに肩を男につかまれる

 

女の子は若い・・・・・、うん。若すぎじゃないか?

 

まさか・・・・・・・・・

 

「・・・・・ロリコン?」

 

不意につぶやいた言葉に全員こちらを見る

 

慌てて口をふさいでその場を去ろうとするが男から逃れた女の子が俺の後ろに隠れた

 

「助けてください・・・」

 

弱弱しい声で俺に助けを求める女の子、見た目は13才位か?

 

いや、そんなことよか俺を睨む56人の男達

 

目がマジですね

 

「お前なんて今なんて言いやがった!」

 

「ぶっ殺してやるよ」

 

「ロリコンの何が悪い!!」

 

シリアス場面にギャグが混じるのは緊張感がぶち壊しなのでこれでお終い

 

とにかく俺を殺そうとしてるのだろう

 

「仕方ないな」

 

俺は短剣を二本抜いて構える

 

「はははははは、コイツ戦うつも―――――――――――――――――」

 

『シュ・・・』

 

風を切る音とともに三人の服がバラバラに切られる

 

「な――――――――――」

 

続いて二人・・・

 

男達は何が起こったのか理解できていない

 

一瞬で全員の服が無くなり全裸になる

 

別に負け惜しみ台詞を言うわけでもなく男達は逃げていく

 

うわ、カッコワル!!

 

全裸で何処に行くのか見所だな

 

「あ、ありがとうございます」

 

さっきの少女がお辞儀をする

 

・・・・・・・・・・・・はぁ

 

思ってみれば無視すりゃ良かったんじゃン

 

俺は厄介ごとに引き込まれる事が多い

 

「いや・・・・」

 

そんなことを考えていると返事も素っ気無くなる

 

「・・・・もう行っても良いかな?」

 

此処に居る必要ないから去ろうとする

 

「ちょっと待ってください」

 

・・・・・・・・そこでその文字かよ

 

何だか悲しそうな目で俺を見る少女、兄を慕う妹みたい

 

俺的には『はい』か『うん』の言葉がほしかったな

 

「なんかあるんだったら言いなよ・・・・、力になってやるから・・・」

 

心の中で泣きながら

 

早くここから脱出したいと考える

 

宿を探さなければならないし、宿がない場合野宿の用意もしなければならない

 

兎に角オレは忙しいのだ

 

「いいんですか?」

 

「構わないさ」

 

再度確認してくる少女に対し適当な返事をしておく

 

やるからにはちゃんとやってやるよ・・・

 

「ありがとうございます、えっと、友人を探しているんです」

 

これまた簡単な用事だこと

 

友人がどこにいるのかは知らないがきっと簡単・・・・・なはず

 

「何ではぐれたんだ?」

 

「宿を探しに行くと言って居なくなってしまったんです・・・・」

 

考えてみれば無用心だ

 

居なくなった・・・。それは置いて行かれたのだろう

 

探すのなら特徴を聞いておきたい

 

「友達ってどうゆう人?」

 

「えっと。18歳位の男の人2人です」

 

・・・・・・・・・それって本当に友達か?

 

見た目13才位のこの子に対し18才の男2人か

 

少し怪しい・・・・・・と言うよりこの子が無茶苦茶心配だ

 

話をもっと詳しく聞く事にした

 

話はまずケルルマフの街からだ、

 

この少女の家がケルルマフにあり

 

そこで昔から良くしてもらっていた1人の男性と

 

昔から仲が悪かった男性にイキナリココンまで連れてこられたらしい

 

その後、仲の良かった男性は船に乗り同じ方向に帰っていったらしい

 

そしてもう一人の仲の悪い男性に

 

『宿を取って来るからその辺で待っていろ』と言われたらしい

 

そしたら今の男どもが現れ、今に至る

 

「そうか・・・・・、じゃあその友達を探せば良いんだな?」

 

「はい、最もその人のことを友達なんて思ってませんけど・・・」

 

きつい一言だな・・・・・

 

兎に角この真っ暗な夜の町をサマヨウ事になるらしい・・・・・