ジリリガシャン
今朝は目覚ましが鳴る前に起きれた
時刻は7時30分、目覚まし時計を直すのを忘れていた
昨日までは美珠と一緒に行くために頑張っていたが、もうやめたんだった
仕方なくしばらくボーっとしていたらいつの間にか8時3分
ヤバイと思い起きあがる、ベッドから起きあがるとフラリと来る
低血圧だからだろう、寝癖をササッと直し歯磨きをして家を出る
今朝は朝飯を食べない
いつもの道を歩く、正直暇だ
「グルルルルルル・・・」
犬が册の向こうでうなっている
「ワン、ワワワワワワワン!」
と、オレがほえてみた
犬は無表情で行ってしまった
なんだかバカにされたみたいで嫌な気分だ
そんなことを思いながらいつものコンビニに入っていく
「お、今朝は遅いじゃん」
店長が商品のパンをかじりながらしゃべる
「・・・コレが普通ですよ」
無表情で答える
店長は何か言いたげだったが無視して弁当売場に向かう
いつもの230円弁当を取りレジに向かう
「バイトの子さっきまで待ってたぞ」
「そうですか」
それがどうかしたのだろうか?
今のオレには別にどうでも良いことだ
時計を見ると8時20分こんな時間まで悪いことをしたな
「お前あの子に気があったんじゃないのか?」
確かにそう見えなくもない行動だった
むしろそう見える行動を自らしていたがもうやめた
「・・・別に好きだった訳じゃない」
気になってもいないと行ったらウソになる
だからあえて好きじゃないと言った
「ふむ、なら遊びか」
店長は険しい顔で行った
遊びって・・・嫌な言い方するな
「この女ったらし」
「な、何でそうなる!」
店長の言った言葉になぜか顔が赤くなる
女ったらし何て言われたのは初めてだ、オレには縁の無い言葉だと思っていたのだが・・・
「お前もあの3人同様女ったらしになっていくンだな」
店長が悲しそうに言う
あの三人とは言うもでもなく雅達だろう
「・・・なりませんよ、きっと」
「最後が余計だぞボケ」
ホントに心配してんのか遊んでんのか分からんな
「・・・そろそろ行かないと遅れるんですが」
「おっと、もうそんな時間か、それじゃあな」
200円を渡しコンビニを出る
うで時計を見るともう8時30分だ
走らないと間に合わない
○ × □
「んでさー、今日で今年81回目の告白されちゃって」
「僕は92回目だよ」
「な、まだまだこれからだ!」
「何だお前ら?花梨一筋じゃないのか?」
「僕はそのつもりだよ、だから今までの告白は全部断ってきたよ」
「お、オレだって!」
昼休み、いつものようなやり取りが屋上で行われている
オレはただ空を見上げているだけ
「そう言えばそろそろ夏休みだな」
そう雅がつぶやく
「そうだな〜、花梨ちゃんの水着姿みたいな〜」
「僕も見たい!」
「「と、言うことで良よろしく!!」
「まかせろ!」
ビッと親指を立てる雅
夏休み、その間ずっと暇になるな・・・・・・
たぶんこいつらからの電話が殺到するだろうが・・・・
「氷も来るよな」
「・・・・・なぜ?」
雅がオレを巻きこもうとする
おかしい、この役目は櫟のハズなのに
「良!氷牙を巻きこむのはオレの役目だ!!」
「そう言えばそうだったな」
櫟はおこっているのに雅は罪悪感すら感じていないようだった
そんなことで罪悪感なんて感じる分けないか
「・・・オレは行かない」
「なんで?」
ココも櫟なのに今日は雅だ、何かおかしいがそんなことを気にするオレではない
白いワタアメみたいな雲を見ながら答える
「・・・金がない」
本当はあるのだがそんなことに使うのはもったいない
「良いバイト紹介してやるよ」
結局金をためるのはオレらしい
「・・・おごってくれるんだったら考えてやらないこともない」
本心だ、おごってくれるのだったら別に構わない
海やプールが嫌いじゃないし暇だから丁度良い
だからといって雅がおごってくれた覚えはない
「う〜ん、半分くらいだったら考えてやる」
・・・・・今日は絶対におかしい
雅が少しでも金を出すなんて想定外だ
明日は雪でも降るのだろうか?
「・・・雅、お前頭でも打ったのか?」
「そんな分けないだろう、人の行為は直に受け取れ」
こんな事を言う雅に3人で固まりながらその場を終えた
○ × □
下校時刻だが今だオレ一人教室に残っている
なぜか?理由なんて無い、ただ居るだけ
時刻は5時55分そろそろ帰らなければ
くつ箱に向かう途中、体育館から声が聞こえた
それが気になったので体育館に行ってみる
「せい!ヤア!」
体育館の扉をゆっくり開けると中から大きな声が聞こえる
見ると剣道着を着た子が一人で練習をしている
去った方がいいのだろうが退屈なのでその場に座って見ておくことにした
声からして女の子だろう
「ふぅ、疲れた・・・」
剣道着の彼女は面を脱ぎ、左腕で汗をぬぐった
やはり女の子だった
この子には見覚えがあった、剣道、柔道の県大会優勝
剣道、柔道の世界大会でもかなり上位だったはずだ
容姿もいいのでかなり人気のハズだ
こんな事を櫟にたたきこまれてしっかり覚えている自分が嫌になる
名前は・・・・・覚えてない・・・
「だれ?」
オレに気づいたのだろうか?
まだ分からないのでその場から動かないことにする
「だれか居るんでしょ?」
やっぱオレか?
ココは一様影になって見えにくいはずなのだ
だからこそオレに言ってるのかも知れない
「でぇぇーーーーーい!!」
「な!」
イキナリ竹刀で襲い掛かってきた少女
上から下に思いっきり竹刀をふり下ろしてくる
降りてきた腕をおさえ、そのまま横に降ろす
空手までやっているのかそのまま回しげりをしてきた
ギリギリの所でシャガミ、そのまま肩をつかみ床にたたきつける
「つっ!」
少女の口から苦痛の言葉が漏れる
あ、マズイ、頭を打ってしまっただろうか?
一度彼女から離れ頭を打ってないかの確認、
頭を打っているかは分からないが痛そうだ
とりあいず背中を持ち上げて起こしてやる
「・・・悪い、」
正直それ以外何て言えばいいか分からない
後頭部をおさえているから多分打ったのだろう
傷害などにならなければいいのだが・・・・・・・
「あれ?彼方たしか・・・・・」
頭をおさえながらオレの方を見てくる
オレを知っているのだろうか?
「たしか鉄瑠 氷牙君だよね?」
やはりオレを知っていた
「・・・ああ」
「うん、だよね」
・・・・・・・
沈黙
なぜオレを知っているのだろう?
よく分からない、そしてジッとオレの顔から目を逸らさない少女
全く分からない、とにかく少女の背中に手を当てたままなので手を放す
「わっ!」
「っと!」
放したら少女が後ろに倒れたのでまた支えた
「イキナリ放さないでよ!」
怒鳴られた
だがココはオレが謝ることもないので無視
「無視する気だ」
その通りだ
オレが謝る理由など無い、それと・・・
「・・・重い」
『ゴン!』
殴られた、グーで頭を殴られた
そのまま少女は立ち上がり
「女の子にそんな態度とるわけ!?バカじゃないの!?」
と、言う
オレは本心を言ったまでだ、怒鳴られる筋合いはない
「・・・頭大丈夫か?」
「どうゆう意味で?」
「・・・ただ単に、打ったんだろ?」
「ただタンコブが出来たくらいよ」
後頭部は危ないからな、記憶障害にもなりかねない
下手をしたら死ぬしな
少女が無事だと言うことを確認したので外に向かう
「何処行くの?」
「帰る」
ココに居る理由もない
むしろ練習の邪魔になるしな
「暇なら練習付き合ってよ」
・・・・・見知らぬ人に何かを頼まれたのは初めてだ
後ろを向くと少女がジッとこちらを見ている
「・・・面倒だ」
それだけ言い残してそこを出ようとする
扉に手をかけた瞬間透き通るような細い声が耳に入った
「私に怪我させたことをみんなに言うよ?」
扉を押そうとした手を止める
ふり返ると笑顔の悪魔が居た
「・・・冗談」
「本気」
どうやらホントに本気らしい、苦笑しながら戻ってやる
「・・・オレが10本取ったらお終いな」
両手をパーにしてブラつかせる
「取るまでずっとやるんだからね〜」
・・・・・上等